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■ 異文化間教育学会第38回大会報告

大会準備実行委員長
東北大学 末松和子

 異文化間教育学会第38回大会(6月17〜18日)に東北大学で開催した。
 初等中等教育における多文化教育実践者の養成をテーマとしたプレセミナー、異文化間能力の概念を掘り下げ理解することに主眼を置いた特定課題研究、政策、実践、学習等、多彩な研究領域における成果報告(個人、ポスター)、また最終日の国際共修に焦点を当てた公開シンポジウム等、充実した内容で大会を実施することができた。地方都市での開催、また全国規模のスポーツ関連行事との日程重複で宿泊施設の確保が困難になるなどハプニングにも見舞われたが、多くの参加者に足を運んでもらえ実り多き大会を終えることが出来た。参加者は事前申し込み163人当日参加17人、大会運営スタッフ15名含め合計195名であった。
 プレセミナーは、「多文化化に対応できる学校教員の育成を考える」をテーマとし宮城教育大学で 実施した。義務教育段階の学校教員の養成に焦点を当てて、(1)多文化教員養成のためのカリキュラム設計、(2)多様な価値観を体験的に学ぶための海外研修のあり方、(3)外国人児童生徒に対応できる多文化教員養成の取組みについて、教員養成の現状と課題、具体的な実践例の紹介があった。その後、「多文化教員養成の多様なリソース」「多文化教員養成のためのカリキュラム設計」「外国人児童生徒に対応できる多文化教員養成の取組み」「多様な価値観を体験的に学ぶための海外研修のあり方」の4つのサブ・テーマでワークショップを行った。参加者の抱える課題の共有と改善に向けたアイデアの提示による相互研鑽と大学を越えた教職員のネットワーク形成を実施できた。参加者は、44名(会員25名、学生会員3名、その他16名)、ファシリテーター6名、コメンテーター1名、大学生22名の合計73名と大変盛況であった。
 特定課題研究は東北大学を会場に、「文化間能力を生かす−実践に向けて」をテーマに実施した。多様化、複雑化する社会でますます重要性を増している異文化間能力の概念に焦点をあて、昨年度の大会で議論した異文化間能力という概念、構成要素、モデルを踏まえ、異文化間能力という概念を使い、いかにその育成や評価に生かしていけばよいのかなど、複数の実践報告を交えながら、異文化間能力の活用について考察を深めた。
 懇親会では宮城の名産を囲みながら、和やかな雰囲気の中、大学・世代を超えたネットワーキングを実施することが出来た。また、留学生による地域伝統舞踊「すずめ踊り」ワークショップを開催した。参加者の積極的な参加で、会場は大いに盛り上がり、地方大会ならではの特色ある取り組みを評価いただくことが出来た。
 最終日の6月18日には、東北大学にて公開シンポジウムを開催した。多様な言語・文化背景をもつ留学生と国内学生が共に学ぶ「国際共修」の実践・開発やカリキュラムの国際化をテーマに実施した。参加者数は約120名であった。国内外の本分野における専門家4名を講師として招聘し、高等教育機関における国際化と、その中でも特に重要な「カリキュラムの国際化(IoC)」と「内なる国際化(I@H)」の二大インディケーターに共通するペダゴジーとして国際共修の意義を日豪の事例を交えながら議論した。パネルディスカッションでは、非常に多くの質問や建設的なフィードバックが寄せられ、国際共修の効果検証・体系的考察、学習成果を最大化する教授法の開発等への関心が日本国内でも高まりつつある状況を再認識することが出来た。
 本大会の開催にあたって、ご協力いただいた宮城教育大学、異文化間教育学会の皆様に心よりお礼申し上げます。

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