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第11回異文化間教育学会研修会のお知らせ
研修テーマ 「韓国系民族学校の現在(いま)-白頭学院の実践から見えるもの-」
概要 今回の研修会では、日本に存在する在日コリアンを対象とした民族教育機関である韓国系学校での教育実践について着目しました。教員から学校の現状についてご報告いただくほか、多様な点から韓国系民族学校の「今」を知る機会を設けます。韓国系民族学校は大阪に2校、京都に1校、東京に1校存在しています。朝鮮学校に比べれば数は少ないものの、これらの学校が多くの在日コリアンの次世代の教育を担ってきたことを忘れるわけにはいきません。
統計上ではオールドカマーである在日コリアンの人口は年々減少しており、国籍別でも現在では「中国」籍が在留外国人中、最大の集団を占めるに至っています。そんな中、改めてオールドカマーの教育について取り上げることは意味があると思われます。
日時 2012年12月15日(土) 10:25〜13:30 (受付は9:50〜)
場所 白頭学院 建国幼・小・中・高等学校
http://www.keonguk.ac.jp/intro/map.php?pname=intro6
大阪市住吉区遠里小野2-3-13
JR阪和線「杉本町」駅より徒歩約10分、南海高野線「我孫子前」駅より徒歩約8分
具体的な
内容
1.授業参観(10:25〜12:05): 3,4時間目の授業を参観していただきます。
  なお、当日は高等学校の授業はありません。予めご了承ください。
2.研修会(12:10〜13:30):
   ①報告:白頭学院のあゆみ  崔 鐵培 氏(同校 校長)
   ②報告:白頭学院の現状と課題  交渉中
   ③総括:中島 智子 氏(プール学院大学教授)
3.学校給食体験会(13:30〜)希望者のみ。
定員 定員(30名)に達し次第、受付を終了いたします。
お早めにお申し込みください。
参加費 会員2,000円、非会員2,500円(給食費込み)
お申し込み 以下の学会第11回研修会宛にメールにてお申し込みください。
お名前・ご所属・会員/非会員、学校給食体験の希望の有無をご記入下さい。
折り返し、参加費の振込先等の詳細をご連絡いたします。
第11回研修会専用メールアドレス:iesjkensyu@gmail.com
実施責任者:出羽孝行(龍谷大学)

白頭学院 建国幼・小・中・高等学校の概況
 1946年に建国工業学校、建国高等女学校として開校し(翌年、建国中学校に改称)、1948年には高等学校、1949年には小学校を開設しました。また、1951年には日本の学校教育法第一条に基づく学校法人としての認可を得るとともに、1976年には韓国政府より認可され、今日に至るまで全国に4校存在する韓国系学校の一つとして在日コリアンの次世代の教育を担ってきました。


第11回異文化間教育学会研修会(2012年度)「韓国系民族学校の現在(いま)」報告
企画・交流委員会

第11回研修会(2012年度)「韓国系民族学校の現在(いま)」を以下の要領で、無事に終えること できましたので、以下、ご報告申し上げます。

実施日時:2012年12月15日(土) 10:25-13:30(受付は9:45より)
実施場所:学校法人白頭学院 建国幼・小・中・高等学校 (大阪市住吉区遠里小野2-3-13)
当日のスケジュール:
  9:45     受付(学校入り口)
  10:25〜12:05 授業参観(3時間目10:25-11:10・4時間目11:20-12:05)
  12:10〜13:30 全体会
        ・研修会の趣旨説明
        ・報告①:白頭学院のあゆみ  講師 崔 鐵培 氏(建国幼・小・中・高等学校 校長)
        ・報告②:白頭学院の現状と課題  講師 朴 永Q 氏(建国高等学校 教諭)
        ・総 括  講師 中島 智子 氏(プール学院大学教授,学会理事)
        ・質疑応答
        ・閉会挨拶
  13:30〜   給食体験(希望者のみ)
参加者:29名(会員18名、非会員11名)/定員30名
参加費:会員2,000円、非会員2,500円(給食費込み)

【内容】
 学校法人白頭学院建国幼・小・中・高等学校(以下、建国学校)は、日本国内に存在する韓国系民族学
校4校のうちの1つとして、多くの在日コリアンの次世代を輩出してきた。本企画では建国学校における教
育実践を見学するとともに、教員から直接、学校の現状と問題点を伺う機会を持つことにより、日本にお
けるマイノリティの教育問題に関する参加者の興味・関心を高め、民族教育研究の更なる発展をはかるこ
となどを目的として行われたものである。
 参加者には受付で学校案内、学校の見取り図(授業見学時の時間割が入ったもの)、名札、案内などを
配布した後、一旦、控室(物理室)に集合いただいた。その後、3,4時間目の授業を自由に見学していた
だいた。当日は高等学校の授業はなかったものの、幼稚園、小学校、中学校の授業が行われており、学校
側にはすべての教室に出入り自由できる形で対応していただいた。建国学校はいわゆる「一条校」である
ため、「韓国語」などの授業以外は日本の他の学校と同様のカリキュラムで運営されているが、見学者の
話を後で伺ったところによれば、教室や廊下の掲示物、教室表示などに独特の「個性」が見いだされたと
のことである。特に、韓国からやってきたニューカマーの生徒のための取り出し授業「日本語基礎」では、
ニューカマーに対する日本語教育の実践を直に見学することができたようである。また、授業時間中には
高校の総合学習の一環として調理室でキムチ作りが行われていたが、そこに参加させていただき、キムチ
を作る体験をするとともに先生方と交流を深めた会員もおられた。これらのことから、単に授業を見学す
るということだけではなく、参加者の方々は普段知ることのできない韓国系学校の日常を知ることができ
たのではないかと思われる。
 授業見学の後は物理室にて全体会を開催し、建国学校校長の崔鐵培先生より学校の概要について説明い
ただくとともに、学校紹介ビデオを上映していただいた。学校紹介ビデオは学校創設時の貴重な映像なども
収録されており、特に参加者の関心を引くものであった。その後、同校教諭の朴永Q先生より建国学校が
今後歩むべき方向性や、ニューカマーの生徒の教育問題についてお話をしていただいた。朴永Q先生は韓
国で教員資格証を取得して勤務した後、日本の大学で教員免許状を取得した後、民族学校の一つであるコ
リア国際学園での勤務経験も有しておられ、在日コリアンの民族教育のみならず、ニューカマーの生徒の
現状についても精通しておられるようであった。続いて中島智子先生からは韓国系学校や、日本の中にあ
る外国人学校という視点から見た建国学校の位置付けについてお話をしていただき、研修会の総括をして
いただいた。最後の質問会では校長に質問が集中した。生徒の国籍やルーツについてなど、建国学校に通
う生徒達の概要をはじめ、日本と韓国の間に立ちながら学校の独自性を出していくことなど、学校を
舵取りしていくことの難しさについて本音で語っていただいた。参加者から聞いた感想でもこの校長のお
話が大変印象に残ったようであった。
 校長の取り計らいで全体会を15分程度延長していただき、より充実した質問会になったが、それが13時
45分に終了した後、希望者全員で給食室に移動し、生徒達が食べているのと同じ給食をいただいた。給食
体験には校長にも一緒に参加していただき、会員との交流にも気を遣っていただいた。その後、食べ終わ
った方から解散ということになり、2時半頃にはすべての参加者が学校を後にした。
 今回の研修会は、一部運営上の不備は見られたものの,総じてうまく流れ所期の目的を達成することが
出来た。また、当初、参加申し込みのペースが鈍く、定員の30名を満たせるか心配されたが、最終的には
目標を達成することができた。
 参加された皆さんからは、普段韓国系民族学校を訪問する機会はほとんど無いので、とても良い機会で
あったと言っていただけた。実際、個人で学校にアプローチをして内部を見学することは容易ではないし
、学校側にかける負担も計り知れないものがある。その意味で、本学会がこうした研修会を実施すること
で当該分野に関心を持つ研究者、実践者の需要を満たし、対象の学校側にも何らかの得られるものを提供
できるような企画をすることは重要な意味を持つと思われる。今回の研修会では、参加者が日本における
民族的マイノリティの教育問題をより具体的に知ることができただけではなく、今後、参加者がこの方面
の研究を行うにあたり、教育現場とのつながりを形成する機会を提供できたのではないかと考えられる。
文責:出羽孝行(龍谷大学)

全体会風景(講演中)

全体会風景(講演中)

全体会風景(質疑応答時)

給食体験風景
   
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