学会案内 大会 紀要 セミナー 関連学会
会員企画オンラインセミナーのお知らせ

この度、企画・交流委員会では、本学会員による自主企画を試験的に開催する運びとなりました。国際高等教育を専門にする3名の会員が以下のとおり、オンラインセミナーを開催します。奮ってご参加ください。

研修テーマ 『コロナ禍での国際教育交流の課題と方策を考える』
概要  コロナ禍で、交換留学、海外研修など学生の物理的な越境を伴う国際教育交流が事実上停止しています。このような中で、異文化間の学びをどのように継続できるか、いかなる方策が求められるかなどが議論されています。COIL(Collaborative Online International Learning)のようなオンラインによる国際教育の実践例も出てきています。本企画セミナーでは、コロナ禍での国際教育交流の現状と課題を整理した上で、具体的な方策や実践案、そして、将来に向けた展望を参加者と議論します。議論に積極的に参加いただける方の参加をお待ちしております。
日時 2020年11月14日(土)13:30〜15:30
開催方法 オンライン(Zoom)開催
定員 100名(先着順)
*会員・非会員に関係なく、どなたでもご参加いただけます。
*本企画セミナーでは参加者との議論の場を設けます。参加者には、そこでの積極的な発言が求められます。
参加費 無料
企画者・講師 新見有紀子(東北大学)
星野晶成(名古屋大学)
太田浩(一橋大学)
お申込み先 以下のサイトからお申込みください。
https://zoom.us/meeting/register/tJYucO-gqTkoHNWXH1amdXhsEJf1lFeCumim
問い合わせ先 お問い合わせはメールでお願いします。
hoshino[at]iee.nagoya-u.ac.jp([at]を@に変更してください。)
名古屋大学国際教育交流センター・星野晶成

2020年度 異文化間教育学会会員企画オンラインセミナー
研修テーマ「コロナ禍での国際教育交流の課題と方策を考える」

1.概要
 コロナ禍で、交換留学、海外研修など学生の物理的な越境を伴う国際教育交流が事実上停止している。このような中で、異文化間の学びをどのように継続できるか、いかなる方策が求められるかなどが議論されている。COIL (Collaborative Online International Learning)のようなオンラインによる国際教育の実践例も出てきている。本セミナーでは、コロナ禍での国際教育交流の現状と課題を整理した上で、具体的な方策や実践案、そして、将来に向けた展望を議論した。
・企画・講師:新見有紀子(東北大学)、星野晶成(名古屋大学)、太田浩(一橋大学)
・実施日時:2020年11月14日(土)13:30-15:30
・実施場所:オンライン(Zoom)
・プログラム:

13:30−13:35 開催趣旨説明(太田浩)、異文化間教育学会紹介(工藤和宏 企画・交流委員長)
13:35−13:40 アイスブレイキング:投票(太田浩)
@ 所属機関でのオンラインによる国際学生交流(留学生の受入れ・派遣)の実施状況
A 所属機関の執行部のオンラインによる国際学生交流や国際教育への対応
B オンラインによる国際教育の今後の見通し
13:40−14:30 レクチャー:「コロナ禍での国際教育に関する国内外の事例・動向」(新見有紀子、
星野晶成)
14:30−14:40 質疑応答
14:40−15:25 ブレイクアウト・セッション(グループ・ディスカッション:各10分程度)
@ オンラインによる国際教育交流の現状共有(実践している場合は、実例およびそこから得た気づ
き・難しさ、実践していない場合は、その理由・背景、障害について)
A オンラインによる国際教育交流を実践する際の課題と要件
B ポストコロナの国際教育交流の将来展望
15:25−15:30 まとめ(太田浩)

・参加者:107名:会員29名(登壇者3名、理事長1名、副理事長1名、企画・交流委員1名、事務局2名)、
非会員78名
・参加費:無料

2.セミナーの内容
以下、プログラムに沿って講義内容を簡潔に報告する。

2. 1 開催趣旨説明、アイスブレイキング(投票)
 講師の太田より、新型コロナウイルスの高等教育への影響により、国際教育交流における既存の問題(国際流動化への過度な依存、短期留学の意義、ICT化の遅れ、プロフェッショナル・スタッフの欠如)が顕在になったことを指摘。その後、所属機関のオンラインによる国際学生交流の現状、所属機関執行部のオンラインによる国際学生交流への対応、そしてオンラインによる国際教育の将来展望について、投票機能を使って参加者に回答してもらった。また、講師の新見がコロナ禍での国際教育交流の影響について、文部科学省や留学生教育学会による調査結果を紹介した。

2. 2 レクチャー「コロナ禍での国際教育に関する国内外の事例・動向」 
講師の新見、星野より、コロナ禍における国際教育交流のオンライン化の国内外の事例・動向として以下7つのカテゴリーに基づき報告した。
@ 学位取得目的留学・オンライン授業科目履修(派遣・受入れ)
A 協定に基づく交換留学・オンライン授業科目履修など(派遣・受入れ、単位取得あり、1・2学期間)
B コンソーシアムによる留学:オンライン授業科目履修(派遣・受入れ)
C オンライン短期留学・研修(派遣・受入れ、単位取得あり・なし、数週間から1ヶ月前後)
D オンライン交流イベント
E オンラインによる海外留学説明会・留学相談
F オンラインによる外国人留学生支援
 続いて、既存のVirtual Exchange (VE)の活用の例としてオンライン国際協働学習・海外連携型協働学習(COIL)の事例について報告を行った。最近の留学生に対する入国制限緩和と日本から海外渡航(留学)状況について簡単に説明した後、ポストコロナに向けたハイブリッド・ブレンディッド・ラーニングの動向を紹介した。

2. 3 質疑応答
 レクチャーの内容について聴講者からの質疑応答を行った。時間内に答えることができなかった質問については、別途事後に書面での回答を行った。

2. 4 ブレイクアウト・セッション
 以下の3点について1グループ4名程度でディスカッションを行い、その内容をPadletに書き込んでもらった。後日Padletのリンクを参加者と共有した。
トピック@:
ご所属の教育機関で、オンラインによる国際教育交流を実践している場合はその事例、そこから得た気づき、難しさなどを共有してください。実践していない場合は、その理由・背景、障害などを共有してください。
トピックA:
オンラインによる国際教育交流を実践するにあたって課題は何ですか、必要なことは何ですか?(個人レベル、組織レベル)
トピックB:
ポストコロナの国際教育交流はどうなっていくでしょうか、どうあるべきでしょうか。(国際教育交流の将来展望について)

2. 5 まとめ
 コロナ禍での国際教育の課題として、量的拡大アプローチから個別集中アプローチへの転換、機関・組織アプローチから科目・教員アプローチへの転換の重要性や、学長・執行部のコミットメントの重要性を指摘した。また、コロナ禍への対応で求められることとして、海外留学の意義の再検討、「内なる」国際化、教育だけでなく事務や研究のオンライン化などを挙げた。そして、今後の国際教育の方向性として、選ばれる大学になるためには、物理的な国際移動を伴う留学とオンラインによる国際教育の融合、カリキュラムの国際化、大学間連携と学外組織・機関との連携(国際教育のリソースの共有)が欠かせないと強調した。最後に、ICTの活用をコロナ禍における一過性のものとせず、ニューノーマルへの対応として教育・研究・経営の新しい様相の形成を目指していくべきであると提言し、本セミナーを閉じた。

3.参加者の声(セミナーに対するアンケート調査の結果)



今回のセミナーの内容に対する意見、感想は、以下の通り概ね好評なものが寄せられた。
  • 時宜にかなったテーマ・タイミングで、全国の大学教職員が立場の垣根を越えて情報を共有し意見を交換するという素晴らしいセミナーでした。
  • 知りたかった情報を調べて、まとめてご提供いただき大変感謝いたしております。今後の参考にさせていただきます。またブレイクアウト・セッションも多くの教職員の方々とお話できて有意義でした。
  • 海外渡航(留学)のアップデート情報が参考になりました。また、これからの在り方として、ハイブリッド(ブレンディッド)ラーニングが注目されていることに関して、今後さらに理解を深めたいと思いました。
  • 話し合いが非常に充実しました。アトランダムに割り振られるブレイクアウト・セッションだったのも新鮮で良かったです。
一方、ブレイクアウト・セッションの方法や全体的な時間の使い方について以下のような指摘を受けた。
  • ブレイクアウト・セッションが良かったのですが3回とも時間が足りず途中で終わってしまいました。
  • ブレイクアウトで、話し合いながらPadletに書き込むのが難しかった。また時間が短く、話がやっと弾んできたところで終わってしまったのが残念だった。
  • 広く全体を概観する資料やお話が多かったですが、一部、事例を詳しく紹介していただけると、より役に立ったかと思います。
  • 時間が足りなかったため、最後の、全体に関するまとめができなかったのは少し残念でした。
参加者からオンラインによる国際教育プログラムの共有方法についての意見が寄せられた。
  • 今回のように、先生方が調べてくださって、様々な大学の事例を知ることができるというのは、先生方が大変だと思いました。researchmapのようなものの留学プログラム版が大学ごとにあって、取り組みや派遣・受け入れプログラムを各大学が記入して、公開したい大学が公開してくれたら、取り組みの共有が簡単にできるのではないかと思いました。
  • コロナ禍における国際教育を積極的に行っている大学の取り組みを知ることができ、有意義だった。それぞれの大学の情報を集めて、本学の今後の取り組みの参考にさせていただきたいです。

4.セミナーを終えて
 コロナ禍でオンラインセミナーは急増したが、講義形式のものが多く、参加者が議論したり、意見交換したりするものは少なかった。それで今回のような講義を元に参加者同士が話し合えるセミナーを開催することになった。この方式を取ることで、参加者からの高い満足度が得られたと思われる。当日は活発な意見交換が行われ、時間が足りないので、同様のセミナーをまた開いてほしいという要望も寄せられた。コロナ禍で苦境に立たされている国際教育交流関係者に対して、このような情報や考えを共有できる場をオンラインで提供することは、本学会の今後の活動の可能性を広げ、会員拡大にもつながると思う。好評につき、今後もこのようなオンラインセミナーを開催したいと考えている。

文責:太田 浩(一橋大学)

▲TOP