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第20回異文化間教育学会研修会のお知らせ
研修テーマ 「在日イスラム教徒の日常とその多様性を学ぶ」
概要  世界中でイスラム教徒が増える中、アジアのイスラム教徒の数もまた増えています。中近東の宗教と考えられがちなイスラム教ですが、インドネシアを初めとしてアジアでもまた多く信仰されています。過激派組織ISによりイスラム教のイメージがダウンする一方、インバウンドのイスラム教徒の旅行者に対する百貨店やホテルを中心に、ハラールフードの準備や礼拝所設置等が注目されています。また日本国内のイスラム教徒の数も10万人を超えるとも言われ、80を超えるモスクが北海道から沖縄まで作られています。この隣人たるイスラム教徒の対する我々の知識は決して多いとは言えません。
 預言者と予言者、新約聖書と新訳聖書の違い等々、日本にいる我々はキリスト教やイスラム教徒等の宗教の違いに関して十分な注意を払っていません。また明治維新以降、イスラム社会を見る目は西洋の価値観を通してのものとなり、我々はありのままのイスラム教徒に接することが少なくなったとも言われています。
 この近しきアジアの隣人をより良く理解する為、イスラム教とイスラム教徒が日本国内で抱える課題や問題点を、オスマン様式の非常に美しいモスクでもある東京ジャーミイにて信者の方から直接お話を伺い、単に「イスラム」と一括りには出来ない文化の在り方に触れ、その多様性に理解を深めたいと考えております。西洋でも東洋でもないイスラム社会という視点から我々に何が見えてくるのか、イスラム文化の日本への影響も考えつつ、異文化理解の一助として頂ければ幸いです。
 今回は参加者の素朴な疑問に信者の方にお答え頂きながらの研修会になります。施設・礼拝見学の時間やトルココーヒーを召し上がって頂く休憩時間もございます。どうぞお気軽に御参加下さい。
日時 2016年12月3日(土)13:00〜16:00まで(予定)
集合場所 東京ジャーミイ・トルコ文化センター 東京都渋谷区大山町1−19
プログラム a)在日イスラム教徒によるお話し:第1部
b)施設や礼拝の見学とトルココーヒーを飲みながらの休憩
a)在日イスラム教徒によるお話し:第2部
c)参加者からの質疑応答a)施設や礼拝の見学
定員 募集人数:50名(定員に達し次第、受付を終了いたします)
参加の際には、男女とも肌の露出はお控え下さい。モスク2Fではスカーフやガウン等の貸し出しを行っております。
モスク2Fにて礼拝見学を、モスク1Fにて研修と質疑応答を行います。
参加費 参加費:1,000円(会員)、2,000円(非会員)
*トルココーヒー代込みです。
お申し込み ■お申し込み方法
以下の学会第20回研修会宛に、お名前・ご所属・会員/非会員をご記入の上、メールでお申し込みください。折り返し、お返事を致します。
■お申込み先
第20回研修会申し込みメールアドレス:omiju2@hotmail.com
(担当:企画交流委員会 大味 潤)

2016年度異文化間教育学会第20回研修会(関東地区)報告会
研修テーマ「在日イスラム教徒の日常とその多様性を学ぶ」

企画:企画・交流委員会 関東地区委員(大味/坪井・古屋)
実施日時:
2016年12月3日(土) 13:00−15:40
実施場所:
東京ジャーミイ・トルコ文化センター 東京都渋谷区大山町1−19
実施内容:
イスラム教徒への質疑応答、モスク見学、東京ジャーミイツアー
参加者:
研修参加者18名(会員11名、非会員7名)、パネラー2名、企画交流委員等 5名 合計25名
参加費:
会員1,000円、非会員2,000円
パネラー:
下山茂氏(東京ジャーミイ広報・出版担当責任者)、クレシ愛民氏(早稲田大学4年生)
司会進行:
大味

【研修の狙い】
 本年度は関東関西共にイスラムを取り上げたので、それぞれ異なる研修内容を設ける必要があった。関西研修会が日程的に先だった為、内容確認の後に東京ジャーミイを訪れ、先方と打ち合わせを繰り返した。
 当初考えていたのは来日するイスラム文化圏からの観光客や留学生が直面する宗教上や慣習上の問題だったが、既にビジネスや観光業界では対応済みの問題であることや、過激派組織ISを初めとして、日本ではどうしても外国人としてのムスリム(イスラム教徒)ばかりが強調され、日本国内で当たり前に生活している身近な信者の姿が見えにくくなっているので、そちらに焦点を当ててもらえないだろうかという提案が先方よりあった。
 関西研修会では主にモスクの責任者による公的・客観的な講義が主になったので、関東においては寧ろ私的・主観的な側面を強調し、参加者には隣人としてのムスリムに触れ、またその多様性を知ってもらうことをその目的とした。その為、直接話を伺うパネリストも国籍や文化背景が異なる3名をお願いした。

【研修当日の内容】
13:00−15:15 会場移動とモスク見学

 当日は前の団体が大幅にずれ込んでいた為に、予定していた1Fのホールが使えず、会場を2Fの礼拝堂に移して開始した。また予定していたイスラム教徒3名のうち2名が来られなくなった為、ツアーガイドをお願いしていた東京ジャーミイ広報・出版の下山茂氏がパネリストに加わった。下山氏は日本人男性ながらイスラム圏への旅行がきっかけとなりムスリムとなった方であり、もう1名は父方がパキスタン人、母方が日本人のクレシ愛民氏で、昨年までパキスタンに留学していた早稲田大学の学生である(尚、本来予定していた他の2名はアメリカ人ムスリムの留学生とムスリムと結婚した日本人女性)。
13:15−14:30 ムスリム2名への質疑応答
 挨拶と趣旨説明の後、下山氏のグループ(主にイスラム圏滞在経験者やムスリムとの接触経験者)とクレシ氏のグループ(主に未経験者)に分け、予め参加者から寄せられた質問に別個に答えてもらう形で研修を開始した。司会者からはグループ毎に参加者一人一人が何らかの質問を行って直接交流してもらう事だけお願いした為、その後の進行や質問内容はそれぞれ自然と異なったものとなった。下山氏側では主に欧米とイスラム圏、日本とイスラム文化というやや大きな枠組みや歴史的な視点で質疑が行われた一方、クレシ氏側ではイスラムと日本文化の2つを生きている自身の葛藤や経験、またイスラム社会での女性の位置付けや文化的価値についての率直な質疑が行われた。後日寄せられた参加者の感想を見ても、お二方共答えにくい質問に対しても真摯に且つ誠実に回答して頂いたことが、参加者から高く評価されていた様である。
14:30−15:00 東京ジャーミイツアー参加
 1Fに戻り、東京ジャーミイにて下山氏が毎週土曜日に行っているモスク見学ツアーに参加し、ムスリムやイスラム文化の影響についてのお話を聞く。我々以外に一般の見学者が40名程合流する。
15:00−15:30 午後の礼拝見学
 再び2Fに上がり午後の礼拝を後方から見学。この時下山氏とクレシ氏も礼拝に加わった為、お二人の一般信者としての日常の姿が見て取れたのではないかと思う。下山氏は10分程の「義務の礼拝」を終えると、進行中の礼拝の解説を始めてくれた為、一層分かり易くなった。尚、礼拝の最中もムスリムの子弟が走り回っていたが、子供に礼拝は強制していないとのことで、参加者もありのままの信仰を目に出来たのではないかと思う。
15:30−15:40 質疑応答
 再びお二人に揃ってもらい、最後に礼拝やその他の質問を行って終了。その後参加者はモスク内外を写真に収めたり、見学を続けたり、また個別に質問を行いながらの自然散会となる。

【今後の課題】
 今回は予定通りの進行は出来なかったものの、パネリストの2人や参加者に恵まれて良い研修内容にして頂いた。イスラム教は当学会においても今後重要なテーマとなると考えられるので、継続的に研修を行うか、また特定課題研究等の対象として取り上げて良いものと考えている。

クレン氏と参加者 手前はコーランの原本 下山氏と参加者 奥は礼拝に使う祭壇 

(文責 大味潤)

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