異文化間教育学会第34回大会が、2013年6月8・9日に東京都世田谷区にある日本大学文理学部で開催されました。
6月7日のプレセミナーは、「獲得型授業をめざす教師のためのドラマ技法活用講座」と題するワークショップでした。プログラムは2部構成で「ウォーム・アップ」とこの日のために開発したドラマワーク「ハックルベリー・フィンの冒険」。参加者が2会場に分かれて同じ内容のプログラムを経験する方式でしたが、振り返りの時間を延長するほど活発な質疑が行われたそうです。
8日からの本大会には、343名の参加がありました。とりわけ当日参加者の数が予想をはるかに上回ったため、事前に用意した手提げ袋が品切れとなる事態がおきました。発表もきわめて盛況で、個人発表、共同発表、ケースパネル、ポスター発表の合計が86本にのぼりました。内容の多彩さはいうまでもありませんが、学会の研究活動の活況ぶりを反映する数字といえるでしょう。
初日の特定課題研究「「国際結婚」女性の子育て:移動と言語を中心に」は、今回から3時間枠のセッションになりました。昨年より30分拡大したことで、質疑応答などの時間に余裕ができ、以前にもましてじっくりと討議ができたのではないかと思います。
懇親会も130名をこす参加をいただき賑やかな交流の場となりました。文理学部らしい特色をだしたいと考え、ロンドン・パラリンピックの水泳で二つのメダルを獲得した木村健一くん(教育学専攻の大学院生 日本選手団の旗手)の熱いスピーチと学生ダブルダッチ・チーム(縄跳び)のアトラクションをプログラムに加えました。若いエネルギーの爆発に、会場から温かい拍手やお言葉をいただき、学生たちもとても喜んでおります。
2日目の公開セミナー「学びの身体を問い直す―教育コミュニケーションと演劇的知の視点から」は、ドラマ技法を活用した小学校、定時制高校、看護短期大学の実践を素材にして討議が行われました。いずれも学習場面が髣髴とする発表とあって大好評でした。
今回の大会運営の特徴は、なんといってもスタッフの構成にあります。3つのチーム―文理学部教育学科スタッフ、学生・院生、獲得型教育研究会会員―の総勢50名が一緒に働き、大会の成功にむけて世代を超えたコラボレーションを楽しむことができました。このような機会を与えてくださった異文化間教育学会そしてご協力いただいたすべてのみなさまに深く感謝いたしております。
日本大学文理学部
渡部 淳