異文化間教育学会第40回大会報告

大会準備実行委員長
明治大学 横田 雅弘

 異文化間教育学会第40回大会を、2019年6月8日(土)~9日(日)、明治大学中野キャンパスで開催した。
 例年のように、大会前日の6月7日(金)にはプレセミナーを開催し、40名の参加があった。今回は立命館アジア太平洋大学の平井達也会員を講師に招き、英国航空、マクドナルド、国連などでも採用されている組織開発の手法Appreciative Inquiryを用いたワークショップを開催した。テーマは、「未来の異文化間教育実践を創ろう」。ポジティブな雰囲気の中で、和気あいあいとこれから異文化間教育のあり方を語り合い、さまざまなアイデアが生み出された。この成果は常任理事会に提出され、今後の学会活動を考える上でも貴重な資料となっていく。
 大会プログラムは、特定課題研究、ポスター発表、個人発表、ケース/パネル、共同発表、公開シンポジウムのほか、新規に会員の指導する学部ゼミによるゼミ紹介ポスター発表が企画され、7大学10ゼミ45名の学部生が参加して大いに賑わった。発表者には大学院への進学を予定している学生もおり、若い世代の関心を喚起する上でも有効と好評であった。
 大会初日の幕開けとして開催された特定課題研究は、昨年の内容を発展させる形で「異文化間教育における政策と研究者の役割」がテーマとなり、約120名が参加した。榎井縁会員(大阪大学)、太田浩会員(一橋大学)、金侖貞会員(首都大学東京)の発表からは、個々の研究者や学会そのものが、政策にどのように具体的に関わることができるか、かかわるべきかについて、具体的な事例も紹介され、大変示唆に富む内容であった。新たに立ち上がった学会の将来構想委員会でも取り上げられる予定である。
 会員による発表では、ポスター発表40件、個人発表47件、ケース/パネル3件、共同発表10件があり、全体で100件の発表を得て活発な議論が展開された。
 公開シンポジウム「異文化間教育とダイバーシティ~理論と実践をつなぐ~」には約170名の参加があり、これも大変好評であった。本ニュースレターならびに次号の紀要で報告されるので、そちらをご参照いただきたい。
 今回の第40回記念大会は、東京での開催、特に学会長が所属し事務局も置かれている明治大学中野キャンパスでの開催となり、国際系の複数の学会の大会日程が重なっていたにもかかわらず、326名 (内当日参加91名)の参加者を得た。新潟大学での方式を踏襲したカジュアルな情報交換会にも107名の参加があり、全体に大変盛況な大会となった。
 大会の準備には、明治大学所属の会員のほか、事務局や他大学からボランティアで参加してくださった会員の皆様の多大なるご支援をいただいた。心より感謝申し上げたい。