異文化間教育学会第43回大会報告

大会準備委員長 堀江未来(立命館大学)

 2022年6月11日(土)〜12日(日)、立命館大学衣笠キャンパスにおいて異文化間教育学会第43回大会を開催いたしました。2回にわたるオンラインでの開催を経て、3年ぶりの対面での大会実施です。参加者同士で久しぶりの再会を喜んだり、対面での研究交流の楽しさを共有する姿をたくさん目にし、大会開催校としてこの上ない喜びを感じました。また、参加者の皆様には、新型コロナ感染防止対策にご協力いただきましたこと、感謝申し上げます。

 大会には、合計280名(正会員192名、学生会員33名、非会員34名、非会員学生21名)の参加、78件(共同7件、パネル2件、個人51件、ポスター18件)の研究発表がありました。今回初めて英語セッションを設定したところ、3件の英語での発表がありました。また、特定課題研究「異文化間教育学における研究方法論を考えるー『移動』をめぐる経験を捉えるために」や公開シンポジウム「キャンパスアジアの10年とこれから:東アジアが育むグローバル人材」においても活発な議論が展開されました。ネットワーキング交流会「フラット交流サロン」や大会企画「『異文化間教育事典』刊行記念シンポジウム-異文化間教育の継承と創造」も好評を得ました。各プログラムを丁寧に企画・運営してくださった会員の皆様に、あらためて御礼申し上げます。

 また、大会に先立って、6月10日(金)にプレセミナー「これからの異文化間教育を共創するーAppreciative Inquiryを使って語り合い、未来のビジョンを描くワークショップ」を開催しました。この企画は、新型コロナ禍前に明治大学で行われた第40回大会においても同様に行われたものです。新型コロナ禍を経験した私たちが、あらためて異文化間教育実践の意義や可能性について考えを深め、歩みを進める気持ちを高める機会となりました。同日に予定したプレイベント「写真座談展〜共創的芸術実践の場に参加しませんか」については、最少催行人数を満たせず、残念ながら実施できませんでした。

 今回の大会の運営に関わって、三点の新たな試みを行いましたので、合わせてご報告します。一点目は、先にも触れた通り、グローバル委員会のイニシアティブと協力により、HPにおける英語での情報発信と発表受付を行ったことです。二点目は、託児サービスを用意したことです。これら二点については、可能な限りこれからの大会においても継承されることを望みます。また三点目として、大会準備委員会のメンバーを極力少人数とし、役割分担の上、リモートでの作業をメインとしながら、機動性高く作業を行えるようにしました。学会事務局やヘルプデスク、立命館大学研究部などの組織的なサポートを得ながら、大会経費を有効活用して人的負担を軽減することなどにつとめ、持続可能な大会運営の形を追求しました。

 一方で、今大会では、リモートでの発表を一部行ったものの、全面的なリモートと対面の併用は実施しませんでした。しかし、今後の大会のあり方としてウィズコロナを想定するのであれば、全面的にリモートとの併用を検討することも必要かもしれません。また、海外からの大会参加費の支払い方法の改善についても、会員の方からご意見いただきました。今後の大会のあり方を検討する上での論点として、書き記しておきたいと思います。

 最後になりましたが、対面での実施にご理解いただき、無事に実施できるよう全面サポートくださいました学会理事会および事務局、ヘルプデスクの皆様に、大会準備委員会を代表してお礼申し上げます。