異文化間教育学会第44回大会報告

大会準備委員長 岡村 郁子(東京都立大学)

2023年6月10日(土)〜11日(日)、東京都立大学南大沢キャンパスにおいて、皆様のご協力のもと異文化間教育学会第44回大会を開催いたしました。昨年度の立命館大学における大会に続き、今回も対面にて無事開催に至り、遠路お運びくださったご参加の皆様に心より御礼を申し上げます。

大会には、事前申し込み・当日合わせて、計286名(正会員196名、学生会員40名、非会員24名、非会員学生22名、通信会員2名、名誉会員2名)の皆様に参加をいただきました。発表件数は、個人発表42件(うち英語による発表6件)、共同発表5組(うち英語による発表1組)、ケース・パネル2組、ポスター発表 26組(うち英語による発表1組)の合計75件に上り、どの会場も盛況でした。また、昨年に引き続きグローバル展開委員会によるHPにおける発表受付に応じ、英語発表にも多くのエントリーがありました。発表終了後にはグローバル展開委員による発表者へのフィードバックセッションも実施され、好評を博した旨をお聞きしています。

オープニングを飾る特定課題研究「『移動』から異文化間教育研究を展開する−象徴的移動に着目して−」は、会場いっぱいの参加者を得て、活気あふれる研究発表と議論が展開されました。二日目午後の大会校企画公開シンポジウム(東京都立大学国際センター共催)「外国につながる子どもたちの教育と明日−ポーランドにおける移民・難民受け入れの現状から考える−」は、前半の基調講演にポーランド・ブロツワフ大学よりJustyna Pilarska先生(東京都立大学特別研究員)をお迎えし、ウクライナ難民の受け入れの現状についての講演を伺いました。後半のパネルディスカッションでは、各地で外国につながる子どもたちの教育支援や研究に携わる会員および東京都立大学の研究者が登壇し、フロアからの質疑応答も交えて充実した議論が交わされました。ネットワーキング交流会「ふらっと交流サロン」は、今年も多くの参加者を得て活発な交流が行われました。各プログラムの企画・運営にあたられた研究委員会ならびにネットワーキング委員会の皆様、公開シンポジウムご登壇の皆様に、心より厚く御礼申し上げます。

なお、6月9日(金)のプレセミナー「オートエスノグラフィーで自文化を描く」は、事務局企画として明治大学中野キャンパスにて開催され、早々に満員御礼となる好評ぶりでした。企画実施をお引き受けくださった事務局の岸会員・古屋会員・二瓶会員、改めまして誠にありがとうございました。

今回の大会では、開催直前の5月に新型コロナウィルスが5類感染症に移行したこともあり、実に4年ぶりとなる飲食を伴う情報交換会も無事に開催することができました。事前申し込み64名と当日参加をあわせて100名近くのご参加を得て、久しぶりの懇親の場としていただけたことを、大変嬉しく存じます。また、今大会では紙媒体の抄録集を配布せず、初の試みとして「プラットフォームサイト」を導入し、プログラムや抄録のPDFファイルにオンラインでアクセスできるようにいたしました。事後アンケートでは、アクセスの容易さとペーパーレスの観点から多くの高評価を頂戴しましたが、少数ながら「アクセスが難しかった」というご意見もあり、次回に向けての申し送りとさせていただきます。

末筆ながら、大会の実施にあたり厚いサポートを賜りました学会理事会および事務局の正木様、ヘルプデスクの佐藤様に、大会準備委員会を代表して心よりお礼申し上げます。次回、魅力あふれる金沢にて皆様とお目にかかれますことを、今から楽しみにしております。