異文化間教育学会第45回大会報告

大会準備委員長 岸田 由美(金沢大学)

2024年6月22日(土)~23日(日)、金沢大学角間キャンパスにて異文化間教育学会第45回大会を開催いたしました。大会には、事前申込と当日申込、公開シンポジウムへの一般参加をあわせ、278人(正会員169人、学生会員26人、通信会員1人、名誉会員1人、非会員62人、非会員学生19人)の皆様にご参加いただきました。ご参加の皆様に心より御礼申し上げます。

発表件数は、個人47件(うち英語による発表6件)、共同8件(同1件)、ケース/パネル3件、ポスター24件(同2件)の合計82件(同9件)に上りました。そのほか、研究委員会による特定課題研究「乳幼児期に異文化間で育つとはどういうことか―複層的な視点でとらえる―」、大会準備委員会による公開シンポジウム「地方の産業を支える国際移民:石川県における受入れ経験から考える」、交流面でも、情報交換会はもちろん、ネットワーキング委員会によるネットワーキング交流会「ふらっと交流サロン」および「ふらっと夜の懇親会」が開催されました。大会に先立っては、学会事務局主催によるプレセミナー「多文化共生とドキュメンタリー演劇」も開催されました。おかげさまで多様かつ魅力的なプログラムを提供できましたこと、発表者の皆様、司会を引き受けていただいた皆様、ご準備いただいた事務局・委員会の皆様に心より御礼申し上げます。

今大会でいくつか工夫した点を記録しておきます。グローバル展開委員会の皆様にご協力いただきながら、大会HPに英文併記を部分的ですが導入しました。発表抄録は前回同様PDFのみとし、プラットフォームサイトは設けなかったものの、PDFにしおりを追加し発表リストから抄録へのリンクも設定して利便性の向上を図りました。配付資料については準備委員会でクラウドフォルダを設けてご利用いただきました。会場での閲覧、ダウンロードにご不便がないよう、eduroamのゲストアカウントの配布も行いました。プログラムについては、運営・人員のスリム化のためポスター発表の掲示期間を短縮しました。口頭発表の時間帯は前年通りとしましたが、多くのお申込をいただいた結果、9会場で同時進行となり、関心がある発表が重複して聞けないといったご不便があったかと思います。大会HPの英語化、大会プログラムの編成の仕方については、次回大会以降、引き続きご検討ください。

本大会の会場は、建物全域をつなぐ広い吹き抜けのフリースペースが特徴です。一連の発表会場の前に広がるこのスペースに、受付、情報コーナー、茶菓コーナー、書籍の展示販売コーナー、さらにポスター発表会場を配することによって、参加者が行き交い、交流する広場の創出を図りました。実際、会場のそこここで談笑されている参加者の皆様の様子からはあたたかなエネルギーが感じられ、ポスター発表の在籍時間帯には議論の熱気が会場全体に伝わってきました。駅から遠く、週末はバスの本数も少なく、そのバスも観光客が多く利用するため乗り切れないなど来場には多くのご不便があったと聞き及んでおります。バス会社の体制にも限界があり、増便も思うようにできず、ご不便をおかけして申し訳なく感じつつも、この会場で開催してよかったと感じる光景でした。

最後になりましたが、大会準備をともに支えていただきました学会理事会及び事務局の皆様、ヘルプデスクの皆様に、準備委員会を代表して御礼申し上げます。来年は東京で多くの皆様とお会いできますよう祈念しております。