2024年度 第2回公開研究会

乳幼児期に異文化間で育つとはどういうことか-複層的な視点でとらえる-

                                       研究委員会

2024年度の特定課題研究テーマは「乳幼児期に異文化間で育つとはどういうことかー複層的な視点でとらえるー」である。第一回の公開研究会では、長江侑紀会員(東京大学大学院)、田尻由起会員(筑波大学大学院)の2名が各々のフィールドワークを通して得た知見と今後の研究の方針について発表した(第一回公開研究会概要)。第二回の公開研究会では、さらに検討を重ね、乳幼児期の子どもを育てる人々を支える仕組み、環境、地域性、風土や文化における違いなどについて議論を深めていく。

登壇者

長江侑紀(東京大学大学院)

田尻由起(筑波大学大学院)

指定討論者

塘利枝子(同志社女子大学)

日時

2024年3月24日(日)13時~15時(予定)

開催方法

東洋大学赤羽台キャンパス及び Zoom によるハイブリッド開催 (要事前申込)

※Zoom参加を申し込みいただいた方には、開催日2~3日前までにZoomリンクをお送りします。

場所

・赤羽台キャンパス WELLBーHUB2 20311教室(WELLB門からお入りください。)

 交通アクセス(赤羽台キャンパスガイド) | 東洋大学 入試情報サイト (toyo.ac.jp)

・Zoom(リンクは後日別送いたします。)

申込方法

以下のGoogle Formへの入力をお願いします。

https://forms.gle/QxSh63emDLtwedoZ8

締め切り

・オンラインでの参加の場合は、ZOOMリンクをご送付する都合上、3月23日(土)17時までに申し込みをお願いいたします。

・対面参加の場合、当日参加可能です。

※本研究会の参加は、異文化間教育学会の会員に限定させていただきます。予めご了承く ださい。

2024年度 第2回公開研究会報告

第二回公開研究会 2024年3月24日

                                   研究委員会

2024年度特定課題研究「乳幼児期に異文化間で育つとはどういうことか―複層的な視点でとらえるー」の第二回公開研究会は、2024年3月24日(日)13時〜15時に、東洋大学およびZoomによるハイブリット形式にて実施され、当日は16名程度(内研究委員関係者8名)の参加があった。

山田委員の趣旨説明の後、長江侑紀会員が、「多様な文化的背景のある子どもの子育てを協働する保育者の省察:批判的人種理論を援用したクリティカル・ペダゴジーからの示唆」と題した研究発表を行った。フィールド調査によって得られたデータの分析結果から保育者のクリティカル・ペダゴジーの実践とクリティカル・ペダゴジーを支える仕組みについて報告がなされた。田尻由起会員は、「文化的マイノリティとして発達に心配のある子どもを育てるとはーフランスでの事例を通してー」と題した研究発表を行った。子どもの発達に不安を持つ邦人母親の子どもの発達の遅れや偏りへの気づきから就学までの期間における支援をめぐる多様な経緯・困難感などの経験、子育てを取り巻く状況について報告がなされた。各発表後に、指定討論者である塘利枝子会員からは、乳幼児期とその後の育ちの場との連続性、複層的な視点、子どもをめぐる人々の間の捉え方の違いは子どもの育ちにどのような意味をもたらすのか、組織や地域が変わるためには何が必要かという4点において、議論の提起がなされた。同じく指定討論者の内田千春会員からは、「子どもをとりまく環境を捉える視点」「場を捉える、研究者の様々な理論的視点」「子どもの声、姿、行動を捉える視点」の重要性が指摘された。今後は、本課題について取り組む包括的な意義、複層的な視点の具体性、データの提示の仕方などを整理し、より議論を更に発展させていく予定である。