2025年度 第2回公開研究会

発達的視点から異文化間で育つ子どもの経験を考える

2025年度特定課題研究 第2回公開研究会のお知らせです。今回は対面での開催です。昨年度に引き続き、関東での開催になりますが、各地の会員にもご参加いただきたくオンライン同時配信のハイブリッドで開催させていただきます。会員の皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
本年度の特定課題研究の主旨

登壇者およびタイトル

・本間祥子 (千葉大学)
「海外の日本人学校に通った子どもの経験とその後の人生における意味―大学生になった現在の視点から」 

・重松香奈 (東京外国語大学) 
「国際結婚家庭で育ったこどもが抱えた葛藤とその解消ー大人として振り返る発達的視点からの振り返りー」

・小松翠 (東京科学大学)
「日中間移動を含む中国人元留学生のライフヒストリー ―留学、子育て、就労を通じたキャリア形成」

指定討論

岡村郁子(東京都立大学)
山田亜紀(玉川大学)

日時

 2025年3月16日(日)14時~16時00分(予定)

開催方法

対面及びZoomによる同時配信によるハイブリッド
(要事前申込:オンラインから対面への変更は当日でも可能です。)

対面会場

東洋大学赤羽台キャンパス
WELLB-HUB2(2号館 福祉社会デザイン学部)3階 20311教室
※入口からまっすぐ奥に進み、エスカレーターで3階に上がってください。

オンライン参加のための情報

オンライン参加の申し込みをいただいた方に、開催日2~3日前までにZoomリンクをお送りします。

申込

以下の Google Formへの入力をお願いします。
https://forms.gle/eXZr5iwD9FvzZjqE9

本研究会の参加は、異文化間教育学会の会員に限定させていただきます。予めご了承ください。

ご不明な点や質問がございましたら、iesj.research.2023@gmail.comまでお寄せ下さい。

2025年度 第2回公開研究会報告

研究委員会

2025年度特定課題研究「発達的視点から異文化間で育つ子どもの経験を考える」の第二回公開研究会は、2025年3月16日(日)14時〜16時20分に、東洋大学赤羽台キャンパスおよびZoomによるハイブリット形式にて実施され、当日は54名程度(内研究委員関係者8名)の参加があった。

佐藤委員長の趣旨説明の後、本間祥子会員が、「海外の日本人学校に通った子どもの経験とその後の人生における意味―大学生になった現在の視点から―」と題した研究発表を行った。幼少期にシンガポール日本人学校に通い帰国した児童で、現在大学生になった対象者と、元教員として当該学校で指導に当たった本間会員がインタビューを通し、当時の経験を振り返り、語ってもらうナラティブ手法によって行われた調査である。

次に重松香奈会員は、「国際結婚家庭で育ったこどもが抱えた葛藤とその解消―大人として振り返る発達的視点からの振り返りー」と題した研究発表を行った。重松会員報告では、国際結婚家庭に多様なパターンが存在する中、一つのケースを元に、外国籍の母親とその国際結婚家庭で生まれ育ったかつての子どもの視点を通じて、母語継承やアイデンティティ形成における葛藤を分析し、多様な言語背景を持つ子どもたちの言語的・文化的成長を支える具体的な支援策を提案することの必要性について論じた。

最後、小松翠会員は「日中間移動を含む中国人元大学院留学生のライフストーリー —留学・就労・子育てとの両立を中心に—」をテーマに発表を行った。主に、対象者である中国籍の留学生が日本で子育てをする際の葛藤、自身の立ち位置を見つめながら留学時から現在に至るまでのライフストーリーを、どのように振り返り、見つめているのかに着目されながら、分析が行われた。 各発表後に、指定討論者として岡村郁子会員から、今回の特定課題のテーマである発達的視点について、それぞれの発表者の会員がどのように着目しているかについて議論が提起された。またもう一人の指定討論者である山田亜紀会員は3名の発表者の会員が応用した質的調査の方法論について、その意義と課題について議論を提起した。今後は、本課題について取り組む包括的な意義、発達的視点の定義と具体性、データの提示の仕方などを整理し、議論を更に発展させていく予定である。