2022年度からは、特定課題研究をより参加型にしていく試みとして、公募制度を取り入れています。異文化間教育学研究のさらなる展開を、会員の皆様と共に検討して行く機会ですので、奮ってご参加ください。
2025年度特定課題研究
発達的視点から異文化間で育つ子どもの経験を考える
研究委員会
2025年度の特定課題研究テーマは「発達的視点から異文化間で育つ子どもの経験を考える」です。特定課題研究をより参加型にしていくためにテーマに対する発表公募を行っています。多くのご応募をお待ちしています。
主旨
異文化間で育つ子どもたちを中心におき、会員の皆様にもご参画いただくべく、特定課題研究発表の参加者を募集します。2024年度第45回大会での研究発表を参考にしていただき、子どもを取り巻く様々な場や人に関わる研究を行っている皆様からの応募を期待します。採択された研究と依頼研究を合わせて今秋から非公開及び公開研究会を重ねて2025年の本大会にて発表を行います。その後、2026年3月刊行予定の学会誌『異文化間教育』の大会特集号に向けて論文投稿(査読有)を行うまでが参加要件となります。
テーマ概要
2024年度の特定課題研究では、「乳幼児期に異文化間で育つとはどういうことか―複層的な視点でとらえる―」をテーマとして研究を進めました。子どもの育ちを考えるために、保護者や子どもとかかわる保育者、発達に心配のある子どもを異文化間で育てる母親、保健師、行政の声を複層的な視点から分析を試み一定の成果を上げることができました。
今年度は引き続き、「発達的視点」を軸にしながら、異文化間で育つ子どもたちや子どもたちを支える家族や地域、環境を取り上げていきます。入園、卒園と小学校への入学、中学・高校への進学といった節目を、異文化間で育つ子どもたちはどのように経験しているのでしょうか。時間軸を持つことは、子どものこれまでの経験(母国の学校、就学前施設、中学校進学前の小学校等)を踏まえて現在のその子/その人の把握・理解につながります。子どもの頃に異文化間で育った経験を持つ人が、大人となって教育に関わったり、自ら子育てをしたりするケース等も考えられます。現在と過去の異文化間で育つ・育った経験と移動を振り返ることで、異なる文化の場がどのように交差し、成育に影響したのかなど、俯瞰的に当事者たちを取り巻く環境を考えていく必要があるのではないでしょうか。
また、子どもたちが育つ場、社会とかかわる場は、園や学校だけでなく病院、保健センター、幼児教育施設、さらに、保護者の選択によって図書館、児童館、子ども食堂、子育てひろば、教会、寺院、補習校(継承語学校・エスニックスクール)、塾(異なる教育目標に合わせた勉強・受験対策・アフタースクール)、保護者の通う日本語教室等、多様に存在します。こうした場と家庭の間を日常的に移動している子どもたちの経験を、それぞれの場にいる人たちを通して捉えることができる可能性があります。学校以外の場所だからこそ、学校教育の枠組みを越えて、長期間に子どもの育ちを捉えることが可能な場合もあるでしょう。また、マイノリティとして育つ子どもたちだけでなく、マジョリティ側の子どもたちのための異文化間教育について考えていく必要もあるかもしれません。
本議論に寄与する意欲的な研究をお待ちしています。
要旨締切
2024年10月20日(日)
応募先
https://forms.gle/vaGuvJHvYYTgnQ3w5
※フォームには、お名前、ご所属、連絡先、研究タイトルの他、
研究内容、応募理由、テーマへの貢献可能性について1,000文字程度でご記入いただきます。
応募資格
- 博士課程修了又はこれと同等以上の研究業績を有する者
- 学会誌への掲載論文があること
- 以下の条件を満たし、対応できる者
【条件】
原則として以下が条件となります。
- 特定課題研究として、学会の研究推進に資する貢献ができること
- 全ての公開研究会および非公開研究会(オンラインまたは対面形式)への自費での出席ができること
- 大会への自費での出席ができること
- 大会への対面での参加ができること
発表の可否は、研究委員会での審査後、2024年11月上旬にお知らせいたします。
今後の予定
2024年
10月20日 応募締切
11月上旬 採択通知・顔合わせ
11月~12月 非公開研究会
2025年
1月 第一回公開研究会
1月~2月 非公開研究会
3月 第二回公開研究会
4月~5月 非公開研究会
6月 第46回大会特定課題研究発表(東京大学)
8月末 学会誌原稿締切(査読あり)
2026年
3月末 学会誌刊行
ご不明な点や質問がございましたら、iesj.research.2023@gmail.com までお寄せ下さい。 皆様のご応募をお待ちしております。