「異」をつなぎ、「異」を可能性に
渋谷 真樹 (日本赤十字看護大学)
2023年7月
黄と青がうねり混じり合って、さまざまな緑を浮かび上がらせる…。2022年度にリニューアルした目にも鮮やかな本学会のホームページ、有効にご活用いただいているでしょうか?「異」をつなぎ、「異」を可能性に~Make a difference through our differences~ このキャッチコピーに、頷いたり、首を傾げたり、さまざまな反応があるにちがいありません。
ホームページのリニューアルをはじめ、公募制の特定課題研究や、研究領域や世代をこえたネットワーキングなどに取り組んできた2021-22年度に続き、二期目の理事長を拝命いたしました。先達の知的財産を確実に引き継ぎ、現代社会の文脈の中で発展させるべく、鋭意励んでまいります。
2022 年には、約150人もの会員が執筆して『異文化間教育事典』を完成させました。これからの2年間ではぜひ、この事典を存分に使いながら、異文化間教育の研究や教育・実践を促進していきたいと考えています。
そのために、年次大会の開催や学会誌の刊行はもちろんのこと、オンラインを駆使した研究会や読書会、そして、有志によるプロジェクトなどを行っていきます。会員同士の交流や情報交換も充実させます。本学会員の研究テーマは、外国人の教育や多文化・多言語教育、異文化間コミュニケーションなど、多岐にわたります。もっか1000人弱の会員が活動していますが、そのひとりひとりがもつ多様な経験や思考を有機的に結び付ける学会でありたいと考えています。
国境を越えた研究や実践を推進して、学会をよりグローバルにしていくことも任期中の大きな目標です。2022年度の年次大会から英語セッションが実施されるようになり、より幅広い議論が可能になっています。今後は、問題意識や研究テーマを共有する海外の研究者や学会と連携し、研究成果を相互に発信し受容していけるような企画を考えていきます。
大海を泳ぐ魚の群れのごとく、学会にも、活きのいい学会、脂ののった学会、残念ながらそうではない学会…というものがあるように感じています。海水の質や潮の流れで集まる魚がかわるように、学会のあり方によって、そこに集う会員やその活動も変化するのではないでしょうか。
本学会のフロンティア精神と異種混淆性を大切に、探究心を活性化させ、豊饒な知的活動が繰り広げられる学会にしていきましょう。さあ、ごいっしょに知の大海へ!
歴代理事長
2023年~2024年度 渋谷 真樹
2021年~2022年度 渋谷 真樹
2019年~2020年度 佐藤 郡衛
2017年~2018年度 佐藤 郡衛
2015年~2016年度 加賀美 常美代
2013年~2014年度 加賀美 常美代
2011年~2012年度 横田 雅弘
2009年~2010年度 横田 雅弘
2007年~2008年度 山田 礼子
2003年~2006年度 小島 勝
2001年~2002年度 佐藤 郡衛
1999年~2000年度 加藤 幸次
1993年~1998年度 江淵 一公
1990年~1992年度 星野 命
1981年~1992年度 小林 哲也