ご挨拶
第37回大会に向けてのご挨拶
齋藤伸子(桜美林大学)
2016 年の異文化間教育学会年次大会は、東京都町田市にある桜美林大学で開催させていただくことになりました。みなさまのご来訪をお待ちしております。
まず、桜美林大学を紹介させていただきます。その起源は、1921年、清水安三が中国の北京において貧困地域の女子教育のために設立した小さな女学校、崇貞学園にあります。清水は終戦後に帰国し、町田に桜美林高等女学校を創立、それが1966年に桜美林大学となりました。桜美林(Obirin) という名称は、清水が留学したアメリカのOberlin Collegeにちなみ、その教育理念を形成したフランスの教育学者、J. F. Oberlinの思想と実践に建学の精神を重ね合わせてつけられたものです。大学は現在、学士課程の5学群と大学院の7研究科で構成されており、もっとも新しいのは2016年度に開設されたばかりのグローバル・コミュニケーション学群です。
桜美林大学では特に外国語教育に力を入れており、タイ語、カンボジア語などアジアの言語を含む18言語を学習できることが大きな特徴です。留学生の数も多く、全学の学生数約8000人に対して、22カ国・地域585名(2015年5月)となっています。また、留学生以外の、外国につながりを持つ学生も多く在籍しています。
さて、桜美林大学がある町田市は古くからの交通の要衝であり、中世には鎌倉街道上道、近世には大山参りの大山街道が通り、幕末以降は八王子と神奈川を結ぶ絹の道が通っています。「いざ鎌倉」の武士たち、大山参りの信仰の衆、そして近代産業の要である絹の通商と、様々な目的を持ちながら、この地を人々が往来し続けてきました。そこにどんな異文化との出会いがあったのか、過去に思いを馳せながら、当地で新たに異文化間教育について学ぶことができるのは楽しいことです。
皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げております。
異文化間教育学会
第37回大会準備委員会
委員長 齋藤伸子