異文化間教育学会 第46回大会
東京大学

ご挨拶
Greetings

 異文化間教育学会第46回大会を、2025年6月21日(土)・22日(日)の両日、東京大学本郷キャンパスにて開催させていただくことになりました。東京大学は1877年に創立され、まもなく150周年を迎えます。本郷三丁目駅から徒歩10分、緑あふれるキャンパス内には、加賀藩前田家の大名屋敷の名残として知られる赤門や、明治時代からの風情を残す三四郎池、ゴシック様式の重厚な安田講堂など、数多くの歴史的建造物が点在しています。本大会の会場の一つである福武ホールは、建築家・安藤忠雄氏の設計によるものです。キャンパスには他にも近代的な建物が点在し、散策を通じて過去と現代が交錯する東京大学の豊かな歴史と文化の息吹を感じていただけるでしょう。

 また、本郷キャンパスから徒歩圏内には江戸幕府直轄の昌平坂学問所であった湯島聖堂、NHKの朝ドラ「らんまん」で主人公のモデルとなった牧野富太郎博士が研究拠点とした小石川植物園、さまざまな博物館や美術館が集まる上野公園があります。この地域に住んだ多くの文豪の足跡をたどる文学散歩や、寺社めぐりもおすすめです。趣のある歴史的な街並みの散策もぜひお楽しみください。

 東京大学では2003年の「東京大学憲章」にもとづき、2022年には「東京大学ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を制定し、「ダイバーシティの尊重」と「インクルージョンの推進」を二つの柱とする基本理念をあらためて明確にしました。この宣言では、さまざまな立場の人々の間でなされる対話を大切にすることが、地球規模の課題解決や知のイノベーションにつながっていくと謳われています。現在東京大学では構成員の多様な背景が尊重され、誰もが安心して学び、活動し、互いに議論を交わすことのできるキャンパスづくりを急ピッチで進めております。「世界の誰もが来たくなる大学」を掲げて、国際学術交流や留学生の送り出し・受け入れにも積極的に取り組んでおります。

 国籍、文化、専門分野などの垣根を越えて互いの差異を尊重し、対話を重ねたその先に新しい知の創造や社会への還元をめざす、という東京大学の理念は、異文化間教育学会が設立当初から大切にしてきた考え方と重なるように思います。大会では皆様の新たな出会いを促し、知的交流が深まりますよう努力してまいります。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

大会実行委員長 額賀美紗子